君が知らない物語-ラスト-

先生のアドバイスは簡潔でして、「左がおかしくなるようだったら、ベースいるから左は捨てなさい」との右だけ集中しなさい指南。

当日のリハーサルで確認できるかと思ったら非情にも打ち込みの方が気になるとのことで確認が出来ずぶっつけ本番になる。

客観的に言えば箸にも棒にもかからない情緒もへったくれもない出来で正直聞き苦しいと思う。だが、生まれてこのかた音楽に興味無く、齢三十を過ぎてのち音楽教室の門を叩き、ドの鍵盤がどこにあるかすら判らなかった人間が、曲がりなりにも演奏できるようになったという結果。そして、演奏しきったという達成感は演奏者にとって代えがたい事実なのです。

残念ながら、このメンバーでの演奏はもう無いわけで、そこは残念だと思います。できの悪い私のサポートしてくれたギター氏と、間違えまくって歌いにくいながら歌い続けてくれたボーカル嬢には、毎回申し訳なく思っておりました。ベース氏はプロに「顔で弾いてますよね」って言われてうらやましい限りだ!ドラム氏は、その・・・なんだ・・・クリック音は打ち込みじゃなくてMIDIシンクロのクリックだからずれないんだ・・・。

まあ、なんだ、もし時が全てを癒やしてくれたとき、また会って演奏することもあるさね、きっと。

当日の全6曲リスト