X68000 XVI 電源修理
はじめに
実家に保管されていたX68000 XVIを不憫に思い、復活させるべく作業した内容を記録します。
分解
分解に際し、下記URLを参考にしました。
サイドパネルの取り外しに手間取った以外は比較的スムースに電源ユニットを取り出せました。
もともとSUPERに搭載されていた電源を移植していましたが、電源出力ケーブル取り出し口より何かが漏れ出た形跡があります。
さらに、下部基板接続される日圧製VHコネクタの端子が腐食し、緑青が発生していました。コンタクトも割れています。
基板を見ますが、保管前まで通常動作していましたので、燃えているような部分はありません。経年の埃が気になりますのでブロアと綿棒で取り除きます。
部品交換
部品交換に際し、下記URLを参考にしました。
とりあえず電解コンデンサをすべて交換することにします。下記が交換した一覧です。部品はマルツパーツから購入しました。選択した品番が回路に合致しているか判断つきかねますので、もし参考にする人がおられましても、各自検証をお願いいたします
実機 | 交換 | |||||||
No. | 番号 | 電圧 (V) |
容量 (μF) |
サイズ | 品番 | 電圧 (V) |
容量 (μF) |
サイズ |
1 | C9 | 180 | 470 | φ22x35 | UCY2D471MHD | 200 | 470 | φ18x40 |
2 | C24 | 25 | 1000 | φ12x25 | UHW1E102MPD | 25 | 1000 | φ10x20 |
3 | C25 | 16 | 680 | φ10x20 | UHE1C681MPD | 16 | 680 | φ8x20 |
4 | C27 | 25 | 220 | φ6.3x15 | UHE1E221MPD | 25 | 220 | φ8x11.5 |
5 | C28 | 16 | 100 | φ6.3x10 | UTT1C101MDD1TD | 16 | 100 | φ6.3x9 |
6 | C31 | 10 | 100 | φ6.3x10 | UTT1C101MDD1TD | 16 | 100 | φ6.3x9 |
7 | C33 | 16 | 220 | φ9x10? | UHE1E221MPD | 25 | 220 | φ8x11.5 |
8 | C34 | 6.3 | 100 | φ6.3x10 | UTT1C101MDD1TD | 16 | 100 | φ6.3x9 |
9 | C35 | 25 | 10 | φ6.3x10 | UTT1H100MDD1TP | 50 | 10 | φ6.3x7 |
10 | C38 | 50 | 3.3 | φ6.3x10 | UTT1H3R3MDD1TP | 50 | 3.3 | φ4x7 |
11 | C40 | 10 | 5600 | φ15x32 | UHW1C562MHD | 16 | 5600 | φ16x25 |
12 | C41 | 10 | 5600 | φ15x32 | UHW1C562MHD | 16 | 5600 | φ16x25 |
13 | C42 | 6.3 | 2200 | φ12x21 | UHW0J222MPD | 6.3 | 2200 | φ10x20 |
電源入り口付近は、フラックスリムーバで綺麗になりました。
下部基板ハーネスもコンタクトとハウジングをマルツパーツより購入して
同種電線にカシメて再製作しました。
SRAMバッテリー交換
下部基板のSRAMバッテリーが寿命なので、ついでに交換しました。
部品はマルツパーツより
GB-BHH-2450RO-MR ボタン電池ケース CR2450 基板取付け用
を購入しました。もともと実装してあった部品取付穴を使い実装出来ました。
動作確認
基板接続前に、電源単体で動作確認しました。
下部基板接続コネクタの2ピン(GND)と6ピン(PC)を接続し、スタンバイ系以外がOFFしていることを確認し、接続していた2ピンを外してファンが回転し、電圧が出力されることを確認しました。
その後仮組み接続し、フロッピー起動で試しにSX-WINDOWを起動しました。
今度はHumanを立ち上げ、Xellent30の付属フロッピーの自己診断をかけ、動作確認後SRAMにXellnt30用ソフトを常駐させました。
無事起動しました。
トラブル
何度か起動させていたところ、突然電源が落ちて、以降電源スイッチをONしても起動しなくなってしまいました。
調べると、フォトカプラ(PC31)のLED側順方向電圧が0に近いため、試しにフォトカプラを同等品に交換しましたが症状が変わりません。
見た目は問題なさそうなR40の抵抗値を測定したところ、2kΩが5MΩになっていました。もしかすると、コンデンサの液漏れが影響しているかもしれないので、1/6W金属被膜抵抗をすべて交換しました。(下の写真は仮で付けた1/4W 2kΩ炭素皮膜抵抗)
No. | 部品番号 | 実機容量 | 購入品番 | 購入品番 |
1 | R41,R51,R57 | 10Ω 1/6W±5% | MFS1/4CC10R0F | 1/4W金属皮膜抵抗 スモールサイズ 10Ω |
2 | R33,R34 | 100Ω 1/6W±5% | MFS1/4CC1000F | 1/4W金属皮膜抵抗 スモールサイズ 100Ω |
3 | R102 | 120Ω 1/6W±5% | MFS1/4CC1200F | 1/4W金属皮膜抵抗 スモールサイズ 120Ω |
4 | R95 | 220Ω 1/6W±5% | MFS1/4CC2200F | 1/4W金属皮膜抵抗 スモールサイズ 220Ω |
5 | R96 | 330Ω 1/6W±5% | MFS1/4CC3300F | 1/4W金属皮膜抵抗 スモールサイズ 330Ω |
6 | R24,R39 | 470Ω 1/6W±5% | MFS1/4CC4700F | 1/4W金属皮膜抵抗 スモールサイズ 470Ω |
7 | R37,R38 | 1KΩ 1/6W±5% | MFS1/4CC1001F | 1/4W金属皮膜抵抗 スモールサイズ 1kΩ |
8 | R40 | 2KΩ 1/6W±5% | MFS1/4CC2001F | 1/4W金属皮膜抵抗 スモールサイズ 2kΩ |
9 | R98 | 2.2KΩ 1/6W±5% | MFS1/4CC2201F | 1/4W金属皮膜抵抗 スモールサイズ 2.2kΩ |
10 | R22,R23 | 2.7KΩ 1/6W±5% | MFS1/4CC2701F | 1/4W金属皮膜抵抗 スモールサイズ 2.7kΩ |
11 | R58 | 7.5KΩ 1/6W±5% | MFS1/4CC7501F | 1/4W金属皮膜抵抗 スモールサイズ 7.5kΩ |
12 | R59,R97 | 100KΩ 1/6W±5% | MFS1/4CC1003F | 1/4W金属皮膜抵抗 スモールサイズ 100kΩ |
抵抗交換以降は問題なく動作しています。